今回の話は一応、一般的なランチ営業についてです。
大人女子会のリッチなランチコースとかってシーンとは違いますのでそこはご了承を。
さて、まずランチに対してお客様が求めるのはやっぱりコスパです。
毎日のことですからね。
ランチ集客はそのニーズにどう応えるかにかかっています。
これからお話しすることはランチ集客の基本ですので、ここから外れてはいけません。
これをベースにその他の細かい戦略を施していくって感じです。
ランチはコスパ
何度も言いますが、ランチはコスパです。
この場合、「あなたのお店が用意したゴハン」と、それに対してお客様が、「自分が支払った金額」とを比較してお得と感じるかどうか?ってことですね。
で、もうちょっと言うと、「(あなたのお店が用意したゴハンも含めた)そこで過ごす時間」ってことなのです。
なのでつまり、“ゴハンは大大メインど真ん中なのですがそれ以外の要素も少なからずある”、ということを頭に入れておいてください。
細かな戦略を使う時にこの意識は大事です。コレちょいちょいこれから出てきますので。
それでは以下に、ランチ集客の基本事項を説明します。
基本①プラスオンのサービス
プラスオンとは、基本メニューに何かをプラスするということ。
わかりやすいのは、ドリンク・サラダ・デザートです。
このうち少なくても2つ以上は付けてください。できたら3つとも。
ランチでの顧客心理は、「短い時間ながらもそこで “食後のホッと一息” まで済ませたい」。
ランチを食べてまたわざわざカフェに寄るのも面倒だしお金がかかる。かといって缶コーヒーで済ますのも寂しい。そんな心理です。
もちろんカフェに行く人も、缶コーヒーで満足な人も、コンビニで100円コーヒーとシュークリームの方がいい人も、ホッと一息なんて要らない人もいます。
でも例えば、「サラダとドリンクとデザートも無料で付けられますが要りますか?要りませんか?」と聞かれたら多分全員「要る」と言うはずです。
長居されたくないっていうお店もあるでしょう。
でも僕の場合は座席回転率より、気持ちよく過ごしてもらえることを優先します。
あ、コレ、いい人ぶってるワケでなく、戦略的にその方があとあと各所に良い影響を与えるからです。
基本②メニュー数は3~4種類に絞る
ランチメニューは3~4種類にします。
これは、数を限定することで選びやすくするためです。
人は選択肢が多過ぎると選べません。
選べないと、「選択しない」という選択をしてしまいます。つまり、「入店しない」ということです。
ですのでメニューは絞ってあげた方が良いのです。
そうすることでお客様の脳内では、「お店に入るか入らないか」という選択から、「どれを食べようか」という選択に変わります。
そして、ランチメニューの場合の丁度良い選択肢の数は3種類、または4種類です。
2種類だと少なくて、好み的に「両方微妙」となる可能性があります。
例えば和食のお店のランチで、「焼き魚定食」と「刺身定食」だけだったら微妙になっちゃうけど、そこに「生姜焼き定食」もあったらどれにしょうかと考えます。
更にはもう一品、「冷やしたぬきとミニそぼろ丼セット」があったら一気に選択肢が広がります。
大抵の場合、ランチメニューであれば4種あれば必ずどれかに引っ掛かります。
基本③外看板は必須
メニューが決まったら必ず外看板に出してください。
黒板式のものに手書きで、メニュー名とその価格を書きます。
必ず写真も付けてください。
写真は大き過ぎないように。これポイント。
大き過ぎると遠目でわかってしまいます。
お店の前まで来させたいので、近寄って見るくらいの大きさにわざとするのです。
1メニュー1枚で、大きくても1枚20センチ角以内で。
手書きにすることで、日替わりで出していることが伝わります。
写真があることでよりリアルにイメージができ、選択したい気持ちを上げることができます。
そして必ず、「どのメニューにもサラダ、ドリンク、デザートが付きます。ランチ限定サービス!」と書いてください。
このサービスが付いていることで、より選びたくなる気持ちが上がります。
頭の中ではもうそぼろ丼を食べているでしょう。
基本④価格設定はリサーチしてチョイ高く
ランチ価格は周辺のお店と合わせる必要があります。
地域によって相場が違いますので。
そして相場がわかったら、それよりも80円~130円高く設定します。
相場が850円だとしたら940円あたりに。
これはお客様に、「高い理由」があることをわからせる必要があるからです。
つまり、「サラダ・ドリンク・デザートが付いてるから高いんだな」と。
これがもし、周辺の相場と同じ850円に設定して、しかもサラダ・ドリンク・デザート付きだとなると、「逆にショボいんじゃないか?ヤバい食材使ってるんじゃないか?」と深読みされてしまいます。
せっかく無理して安くしても、悲しいかな逆効果になってしまうのです。
人は価格に納得したいものなのです。
よく、「訳アリ商品」てありますよね。あれがジャンジャン売れるのは、安い理由が明確だからです。
「割れチョコ」「割れ煎餅」「破れ明太子」なんてあれ、わざと割って出してるんじゃないかって感じです。
訳もなく安かったら、「なんかヤバいんじゃないの?」と勘繰られてしまうんですね。
ということで、敢えて相場価格よりも80~130円ほど高く設定するのです。
安くしろって言ったり安過ぎだって言ったり面倒ですよね笑
でもそれが顧客心理というものですからしっかり付いて来てください。
基本⑤昼は昼、夜は夜で別戦略
ランチ客に対して「夜にも来てもらいたい」という願望は捨ててください。
つまり、「ランチはランチしか来ないお客様であり、ランチ完結で大満足させてやる」という気構えでやるということ。
とにかく最高のランチを提供することだけを考えて、顧客心理をゴリゴリに考慮して作っていってください。
これが最初に言った、コスパとは「(あなたのお店が用意したゴハンも含めた)そこで過ごす時間」 という部分でもあります。
お店にとっては客単価も安く、利益も少ないランチは完全にサービスでしょう。でも店事情はお客様には関係ありません。
お客様にとってランチの店選びは、「自分の大事なお昼の一時間をどう過ごすか」という選択をしているのです。
ですのでこれは、お客様側の立場に立って、その心理を超えるサービスを提供することを考えるのが賢明です。
「夜にも来て欲しいからランチはサービスでやってるのに」と言う人もいるでしょう。
気持ちはよく解ります。
でもこれは、戦略的にそうした方が、結果的に夜にも呼び込めるからやるのです。
僕は儲からないことはやらないので。
この辺に関しては以下の記事も参考になるので是非。
最後に
ランチとディナーは切り分けで考えることが重要です。
店主を昼と夜で分けたいくらいです。
それくらい独立させた方が結果的に両方うまくいきます。