店内にただシャンプーを並べておいても、お客は買ってくれません。
かと言ってセールストークするのもイヤですよね?
せっかく仲良くなれたお客に押し売りみたいにして困らせたくないし、嫌われて来てくれなくなってもいけないし。
でも売りたい気持ちもあるから、「これ今お店で使ってるのと同じのですよ~」なんて一応言ってはいる。
でもそれでは全っ然買ってくれないですよね?
陳列してあるシャンプーはホコリ被ってないですか?オブジェ化してませんか??
ということで今回は、このよくあるヘアサロンの “物販問題” についてお話ししていきます。
売れるようになるためのポイントはこの2点。
■誰に売ればいいのか?
■どうやって売ればいいのか?
ではまずセールスの基本からお話しします。
セールスの基本とは?
あなたは美容師ではありますが、やはりシャンプーを売るとなったらセールスマンの技術も必要になってきます。
セールスは、下手な人がやると「押し売り」か「軟弱売り」になります。
つまり、「相手のことを考えずに自分が言いたいことをぶつける」か、「やんわり過ぎて全然伝わらないし断られやすいトーク」になります。
これでは売れませんね。
商売の基本は、「買ってくれ」と説得するのではなく、お客に「売ってくれ」と言わせることです。
これを常に頭に入れておいてください。
つまり、「どうやって勧めようかな」ではなく、「どうやったら欲しいと言ってくれるかな」と考えることです。
誰に売ればいいのか?

最初に、誰に売るかという部分について。
結論から言うと、多くお金を払っていく人です。
でもそれは、「お金持ちだから」ってことではありません。
その部分について顧客心理を交えて説明します。
まず、ヘアサロンに来るお客は、今日何にどれくらいお金を使うか決めてきています。
例えば、「今日はカットしてカラーをする」といったように。
これに対してお金を払うことを計算してから来店しています。
そしてこの事前計算に、「シャンプーを買う」が入っているお客はまずいません。
つまりもし買うとしたら、それは想定外の出費となるわけです。
ですがそういう状況でも、「多くお金を払う人」、つまり「カットしてカラーもしてトリートメントもして、、」とプラスオンのサービスを多く利用する人は、物販も買ってくれる確率は他のお客よりも高いです。
なぜならそういうお客は、髪に対する意識が高いからです。
髪に対する優先順位が高いので、それに対するお金も多くかける人なのです。
こう考えるとわかりやすいです。
例えば、「服はGUで全然いいけど、ゴハンは高くても美味しいものを食べたい」という孤独のグルメの吾郎さんみたいな人いますよね?で、その逆もいますよね。綾部みたいな。
これって優先順位の違いなんです。人によってどこに重きを置くかが違うんです。
なので「髪」の優先順位が高い人は、シャンプーやトリートメントもより良いもの、より自分に合ったものが欲しいと思うわけです。
そういう理由で、ヘアサロンに来て多く払っていくお客は、シャンプー等の物販も買ってくれる可能性が他のお客よりも高いと言えるのです。
どうやって売ればいいのか?
冒頭でも話しましたが、「買ってくれ」ではなく、お客の方から「売ってくれ」と言わせるようにするのがセールスの基本です。
では、どうやったらお客は「売ってくれ」と言うのか?
それは、「売ってくれ」と言いたくなるだけの情報を提供することです。
情報が一定量揃った時はじめて、「売ってくれ」と言いたくなるのです。
ではその情報とは何かというところですが、それは主に以下2点です。
①仕上がり具合(使用感、自分に合っていること)
②一般非売品
この2つです。
まず①仕上がり具合。
これは実際にそのお客に対して、来店時にも同じものを使っていることが前提です。
人はまず買う前に、どんなものか情報が知りたいものです。
シャンプーやトリートメントなら、できることなら自分の髪で試したい。
でもドラッグストアやAmazonでは試すわけにはいきません。
なので雑誌だったり口コミや友達からの情報などをもとに、普段は判断しているわけです。
つまり、ヘアサロンだけがお試ししてから買うか買わないか決めることができると言えます。
特に女性は髪に対しての意識が高いです。
女性は常に自分に合うシャンプーやトリートメントを探しているのですから。
ヘアサロンなら、実際お店で使ったシャンプーやトリートメントを体験し、自分に合っているかどうかを判断できます。
この時、お客自身が自分で感じる「合っているかも」と、美容師から「これ、合ってますね」とダブルで合っていることが確認できることが重要です。
なのでちゃんと「これ、〇〇さんの髪に合ってますね」と言ってあげてください。
次に②の一般非売品。
ヘアサロンで物販用に仕入れるシャンプーやトリートメントの殆どは業務用です。
一般のお店には卸していないものになります。
つまり、ここでしか買えないことになります。
これは「限定」という商法の一つです。
販売場所や販売個数、販売期間が限定されていると購買意欲が上がります。
なので物販は、常に陳列しておくより、期間限定で陳列した方が売れます。
これはやはり市販のものよりも価格が少し高いというのもあるので、更に期間も「限定」とすることで購買意欲を上げるのです。
ちなみに僕のクライアントのヘアサロンでは、1ヵ月のうち1週間しか物販品を陳列しません。
宣伝は常にしていますが実際に陳列して売るのは1週間だけです。
宣伝と一緒に、「*次の販売期間は5月19日~24日になります」などと掲示しています。
わざわざその期間にトリートメントだけを買いにくるお客もいます。
まとめ
服を買いに行くことと比べるとわかりやすいと思います。
気になる服を見付けたら試着しますよね。そうすると店員さんが、
「とても良くお似合いですよ~」と言ってきます。そして更に、
「それ昨日入ってきて、最後の一着なんですよ~」と商法 “限定” をぶち込んできます。
そうすると購買意欲が爆上がりして、もう買っちゃいます。
これと全く同じです。「試して」、「合ってると言われ」、そして「限定」だと知らされる。
顧客心理を突いた王道の商法です。
ヘアサロンでもこれをすればムリなく “商売感” も無く売ることができます。