リピート率が格段に上がる “帰り際戦略” 【できていない飲食店多し!】

リピート率が格段に上がる “帰り際戦略” を身に付ける。【できていない飲食店多し!】1 飲食店向け

結論から言うと、「帰り際をより印象的にすること」です。

そうすることで記憶に残り、お客様の “持ち駒飲食店リスト” に入り込めると。

これ非常に効果的で重要で、しかも実践しやすいのにやっていないお店が殆どです。

まあ知らないからやっていなくて当然ではありますが。

それでは以下で詳しく説明します。

イケアのソフトクリームが50円の理由

イケアに行ったことがある人は知ってると思いますが、イケアは買い物して最後にレジを通った先に軽食のフードコートがある。

そこで売ってるのがソフトクリームとかホットドックなんだけど、これがめちゃくちゃ安い。

ソフトが50円、ホットドック80円。駄菓子屋レベルの驚愕価格。これが来店者のイケアに行く楽しみの一つになっている。

でもこれ、何でこんなに安いかわかりますか?ここだけ切り取ると、「原価いくら?儲けあるの??」と心配してしまうが、

実はこれ、ちゃんとしたゴリゴリの戦略なんです。顧客心理をうまく突いているリピート対策なんですね。

イケアの “帰り際戦略” を解説します。

人は「最後」が印象に残りやすい。イケアはこの顧客心理を利用して、一番最後の帰り際に激安ソフトを用意してる。ちゃんとゴハン系のホットドックなんかも。

来店者の心理はこう。広い店内で買い物して、ちょっと疲れて小腹の空いた状態でここにたどり着く。疲労感と空腹感。すると目の前に激安のソフトとドック。砂漠に自販機状態。これはやられる。

こんな状態なら何食べても美味いが、ホントに美味いからまたたまらない。

これで脳ミソに「イケア超安くてメッチャいいとこ!サイコー!天国!」ってシールがベッタリと張り付く。

ただでさえ商品も安いのに最後にコレ。もう完全にイケアの虜。これは顧客心理を理解した超絶怒涛の顧客メロメロ作戦。ホントに素晴らしい。僕が考えたことにして欲しい。

ちなみにこれが上手いのはタダじゃなく有料なところ。タダで出したってイケアとしては痛くも痒くもない。でもちゃんとお金を払って買わせることに意味がある。

もしも無料だと、「貰えて当たり前」って意識が働く。すると「得した」って感覚でなく、それを当たり前の権利と思ってしまう。

「ソフトの分もアームチェアの価格に乗せてるんじゃね!?」とさえ思う人も出てくる。品切れなんかになった日にゃあ大クレーム嵐になってしまう。

でもこれを有料で安く買わせることによって、「また得しちゃった♪」という印象を残すことができる。買わなきゃ損!とさえ思う。

お金も取れて好印象。しっかりWINWIN。実に素晴らしい。

普通と違う “最後” をつくる

リピート率が格段に上がる “帰り際戦略” を身に付ける。【できていない飲食店多し!】3

では実際、飲食店でどういう形で最後を印象的にするのか?

飲食店の最後なので、支払いのタイミングか店を出る時、その辺ですよね。

で、考え方のポイントとしては、普通の飲食の流れを壊すイベントをチョイ挟みすること。わかりづらいですね。説明します。

“流れを壊すイベント” のベスト3はこんな感じ。記憶に残りやすい順。

1位「ちょっとの無関係な話」

2位「ちょっとの謝罪」

3位「ちょっとのプレゼント」

まず1位の、「ちょっとの無関係な話」について。

これは例えば、支払い中のお客様にスタッフが、「それ筋肉少女帯のツアーTシャツですよね?行ったんですか?私も好きなんです!」と。

飲食の流れとは全く関係ない、お客様の趣味の話をする。普通なら支払いして、「ありがとうございました~!」で終わりな流れに、違うイベントをチョイ挟み。これはかなり記憶に残る。

まあ共通の趣味なんてなかなか無いから例えば、「ズボンのチャック全開です!」でもいいし、「髪型ムロツヨシですね。私ムロ好きなんですよ~^^」でもいい。

とにかく相手の頭に「!」を浮かばせるひと言をブチ込む。

次に「ちょっとの謝罪」。

これはたまにあると思うんですが、例えば注文もらったマグロブツが品切れだったとする。注文時にも品切れについて謝っているんだけど、これを最後にもする。

お客様が店を出る時に、「明日からマグロ100キロ仕入れてきます!すいませんでしたー!」と。

ポイントは、謝罪だけどちょっと面白く。お客様だって別に怒ってもいないし、忘れてるかもしれないことだからこれくらいしてもいい。

そして最後に「ちょっとのプレゼント」。

これはよくレジのとこにガムとかアメとか置いてますよね。お好きにどうぞってやつ。

モノはそれで十分なんだけど、勝手にどうぞではなく、こちらから渡してみる。

例えばひと言、「何色好きですか?赤?じゃあイチゴどうぞ^^」と言って渡す。

男性客に女性店員が渡す、女性客に男性店員が渡すってのが良いとつい思いがちだが、男性客に男性店員が、このやり取りで渡したら記憶に残りやすい。

オッサンがオッサンに「何色が好き?」なんて聞いてたらメチャクチャ笑えるでしょ?

全部やらなくてOK!

以上が流れを壊すイベントベスト3。わりと簡単ですよね?でも効果はデカイ。

で、これらは全部やる必要はないので。と言うかやっちゃダメです。どれか1つだけでいい。

お客様1グループに1つでOK。2つも3つもだとしつこくなって、「面倒くせー店だな」って思われてしまうので。

ちなみに、過度の “お見送り” は微妙です。

よく服屋で、買った商品を店員が持って店先までお見送りのやつありますよね。レジでそのまま渡してくれればいいのに。

優越感の演出だろうけど正直気持ち悪い。店員もやりたくないだろうし、こっちもそこまでしてくれなくてもって気持ちになる。

反面、キャバクラで女の子が見送ってくれるのは最高に嬉しい。でもそれは酔ってるし払ってるし、何より女の子達に見送って欲しいから。お店側もそれでまた来店してくれるならハッピーだからこれはWINWINになる。

なのでお見送りはTPO。普通の飲食店でそこまでする必要はない。

一歩踏み入って得るもの

これらの行為で何が得られるかをちゃんと理解して欲しいので、以下を覚えておいてください。

これら “帰り際戦略” でお客様はお店と、一連の飲食の流れから外れたイベントでの関係性を持つことになる。

ここでのイベントとは先ほどの、「趣味のこと」や「気の利いた謝罪」、「変な絡み」とか。

そうすることでそのお客様の中で、「よくあるその他大勢のお店」から、「なんとなく知ってるお店」に昇格する。

ほんのちょっと踏み込んだコミュニケーションを取ることによって、お客様の脳ミソの中で他の店より半歩前に出ることができる。「知り合いの店」とまでは行かないが、確実に選びやすいお店になっていく。つまりそのお客様の頭の中の “持ち駒飲食店リスト” に名を連ねることができる。これが狙い。

ただ、何度も言いますが、あまりコッテリやらないように。ここまででわかったと思いますが、これは店とお客様との距離感の話。いきなり近付き過ぎると離れてく。モテない男パターンです笑

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