キャバ嬢をやってる友人がいるのですが、たまに来店の誘いの連絡が来ます。
僕としては「何でお前と飲むのにわざわざキャバクラに行かなきゃならないんだ!?」といつも断ってました。
なぜならその友人とはいつでも二人で飲みに行ける仲。わざわざ高いお金払って飲みに行くのがバカバカしくて。
そんな僕が一度だけ誘いに乗ってしまった時がありました。以下がその時のラインの会話。
「ねえお店に飲み来ない?」
「(いつものごとく)行かない」
「えーたまには来てよぉ」
「だから何でわざわざキャバクラまで行ってお前と飲まなきゃいけないんだよ」
「そっかー、、、でも今、チャイナフェアだよ」
お店の女の子が全員チャイナ服なのを確認して、僕はその夜お店に向かいましたとさ。
イベントに乗っかること=キッカケの提供
キャバクラには色んな店に何度も行ったことあるし、チャイナ服フェチでもないし(好きだけど)、なんなら普通のドレスの方がチャイナ服より露出高めかもなのですが、、
計算か偶然かわかりませんが、これは相手が上手かったと言えます。
誘いに対し、最初から行かない構えの僕に、会話の最後に「チャイナフェア」。そして「今」という期間限定。商法としてはとても理に適っている。僕が行ってしまって当然。
普段行かないお店でもキッカケがあれば来店の可能性は高まります。
この場合、「いつもと違う(チャイナ服)」と「期間限定(フェア)」が僕の背中を押した。
この仕掛けは普通の飲食店でも取り入れることができます。そしてそれをするにはイベントに乗るのが一番手っ取り早い。
お店独自で期間限定や記念日を作ってやってるお店もありますね。だけどそれだと、常連客はいいけど初めての方にとってはイマイチ受け入れにくい。できれば新規客も常連客も両方取りたい。
なのでどうしたらいいかというと、世間一般のイベントに乗っかればいい。つまりクリスマスとかGW、ハロウインとか。もっと言ったらサッカーW杯とかオリンピック、夏休み、七夕、勤労感謝の日とかでも。
プレミアムフライデーなんかは、正に国が飲食店の為に作ってくれたキッカケ作りのイベントと言えます。
とにかく一般的に認知されているイベントなら何でも使えるから、それに乗っかったサービスをする。チャイナフェアのごとく、「いつもと違う」と「期間限定」で来店キッカケを提供するのです。
「イベント乗っかり」は経営の柔軟性
さて、何でわざわざこの「イベントに乗っかる」について書いたか?
だってこういうのってどのお店も既に普通にやっている。クリスマスとか忘年会とか。でも敢えて今回これについて書いたのは、それをやっていないお店があるから。
そしてその“やらない理由”が、素通りできない致命的ミスだから。
繁盛していないくせに、イベントに乗っかることをしないお店はみんなこう言います。
「ウチはそういうのには乗っからない」
ちょっと待って欲しい。売れているならそれでもいい。でも売れてもいなのに「イベント乗っかり」をカッコ悪いと言うのはちょっと違う。
気持ちはわからないでもない。イベントに乗っかるのをプライドが許さないんでしょう。みんなやってるんで自分もやったら店の品格が下がる気がするんでしょう?
でもね、こんな小さなところにイチイチ引っかかってる必要はない。そもそもこんなので下がるような品格ならあったってしょうがない。というか品格を保つ乗っかり方をすればいいだけだ。
いいですか、こういうベタなのは、意識し過ぎずサラッと取り入れた方が利口です。こんなのただの戦略の一つじゃないですか。
こういったキッカケを必要とするお客様もいるんです。お店からのキッカケによって、お客様は自分の中で来店することを正当化できる。
例えば新年会なんて、「1週間前に忘年会で飲んだばっかじゃん!?」なんて意識も吹っ飛ばして正当化されてますよね。普通に考えればメチャクチャだが、みんなスーッと当たり前に受け入れてる。
お客様がキッカケを必要としてるのならやってやればいいんですよ。大したことじゃない。それでお客様は喜んでくれますから。
イベントに乗ることは、消費者の望みを受け入れる柔軟性と言えます。
イベント絡みのサービスをもしまだやっていないのなら、すぐにやった方がいいです。それで新規客も常連客もしっかり掴むこと。カッコつけるところを間違えてはいけません。